高級時計メーカーの多くは機械式時計が主流ですが、ロレックスも同様に、様々な機械式時計を発表しています。しかし、一時はクォーツ時計を手掛けていたことをご存じでしょうか。モデル数・生産本数ともに少なく、希少性が高いのです。同社がクォーツ時計の製造に乗り出したきっかけは、日本で起こったとあるブームでした。

1969年、日本の企業である「セイコー」が世界で初めてクォーツ時計の開発に成功しました。現在まで語り継がれるクォーツショックという出来事です。それから日本ではクォーツ時計がブームとなり、他の時計メーカーもこぞって開発に乗り出しました。機械式時計は徐々に淘汰され、80年代にはクォーツが主流となったのです。

クォーツショックは時計業界に激震をもたらしましたが、ロレックスも例外ではありませんでした。日本のクォーツブームは、特にスイスの時計産業にとって致命的なものとなりましたが、スイスの時計メーカーが共同でムーブメントの開発に乗り出したのです。これを基に、ロレックスはクォーツ時計の製造を開始、試作品を経て生み出されたのが「Ref17000」という自社オリジナルのムーブメントでした。

Ref17000を搭載したモデルは1977年に発表されました。全て自社一貫生産であったことから、当時のヨーロッパで大きな話題を呼びました。その後もロレックスはクォーツ時計の製造を続け、一時は製造本数の1割以上を占めるなど、同社の主力になったとも言われています。

そしてクォーツの普及とともにブームは去っていきました。ショック後は機械式時計の良さが見直され、スイスの時計産業も徐々に立ち直りを見せましたが、ロレックスは2000年初頭までクォーツ時計の製造を続けていました。しかし、ロレックス全体で見ると製造本数は非常に少なく、また発表されたモデルも限られています。製造もすでに終了しており、世界の中古時計市場やオークションでは非常に高値で取引されています。